「上品なお味ですね」‥広まり過ぎて、どちらかと言えば悪口として使用されることが多くなった言葉。こういった特定の意味を持つに至った言葉は、同じ意味だとしても言い換えていく必要があるのでしょう。
僕は嘘の中でも、「優しい嘘」と呼ばれるものが嫌いです。心の無い虚言者の分際で、優しさを気取ってるのか‥?言葉に責任すら伴わない状態で相手の方を見すらせず、それで自分は悪くない側の人間だと‥?
ところが、そうではなかったと最近気が付きました。彼ら彼女らは、そういう「上品な世界」でしか生きてこなかったのです。直接悪口を言うなんて、「まあ、なんとお下品な‥」という感想なのでしょう。うんこ・ちんちんを必死で言い換えるわけです。恥ずかしがるなよ、直接言えよ‥。
「相手を攻撃する意図をもって言い換えたのか」「相手を守る意図をもって言い換えたのか」‥優しい嘘だと主張したいのは、本来は子供に諭すかのような、守る意図でしょう。しかし大人に使う場合は、「この言い換えに貴様は気づくまい‥。ワタクシの真実になど、お前のイチモツでは届きはしない‥」ということでしかない。
でも、自分の実力って一番自分が把握してますよね。例えば、歌で言うなら僕は中学生の頃割と上手かった時期がごく短期間あったし、それに比べれば今の実力などクソだと理解している。自分との比較だけでも、己の立ち位置などある程度は把握できるのです。もし自分に対しての優しい嘘であるなら、「おかしい」と嫌でも気づく。そこの根源に悪意が少しでも含まれているなら感度3000倍、カウンターで悪意をラッピングし返したくもなる。
香水にはうんこ成分がいくつか含まれているという話を聞いたことがあります。フェロモン的な話。それはともかく、会話には多少の悪意も嘘も必要なのかもしれません。
揺れる天秤‥上品と下品の狭間‥。それが釣り合ったその瞬間、「おいしさ」が生まれるのかもしれませんね。